人気ブログランキング | 話題のタグを見る
昨日の続きを・・・
 前日の続きです・・・つまり、要するに、早い話が・・・
『それでいいのか、そば打ち男』についての続き・・・ってことになります。 

 当時(開業数年後)の私は、以前面白くて仕方なかったそば打ちが
ほんとうは意外に手強く、難しくも感じ、「奥の深さ」に
やっと気がついた頃でしたので、その本のことは気にはなりつつも、
わざわざお金を出して読もうという気にはなりませんでした。
 というのも、どうせその本は、団塊の世代の世の男達の
そば打ち道楽を単に冷やかしたものだと、私は考えていたからでした。
 因みに私は団塊の世代ではありません、奴らよりずうっと年上なのです。

 でも、その本を手に取ってみれば、腹が立つことに、「男」の文字だけが
15度ぐらい右に傾いて印刷してありました。あたかも世の中の男達は、
みな「ずっこけている」みたいなメッセージが籠められているかのようで、
さすがに私もムッとして、その折は買わず、
本屋の店頭で放り出してしまった記憶があります。

 でも実際に今回、改めて図書館から借り出して来て、読んでみると、
そればっかりではなかったんですね。確かにそういう部分は
あるのだけれど、それ以上に男女を問わず、著者同世代の団塊の連中に
ハッパを掛けているような本だったのです。
 
 団塊の世代には特有のクセがあって、それを容赦なく
指摘してあるのが面白く、私も今回は夢中で読んでしまいました。
 従って(家内はまさしく団塊世代で)、少なくとも私は、
比較的客観的に読むことが出来たのかもしれません。

 本では、著者のなまじっか同世代への過大な期待感があるだけに
もどかしい気持ちからやや過激な発言になっているという事情が、
よーく判りました。「頑張れ、団塊世代、中高年!」といった内容なんですね。
 イヤ、大変に面白かったです。何しろ若い頃の彼らときたら、
やたら光ってましたからね。全共闘時代にしろ、一大ブームを
巻き起こしたミニスカート旋風にしろ、世の中に氾濫するサブカルにしろ、
ほとんど全部が彼らの世代から始まったことですからね、それが年齢を
重ねるごとに牙を抜かれ、去勢されおとなしくなってしまって・・・
 挙げ句の果ての「蕎麦打ち」では、チョット情けない気が
しないでもありません。たしかに・・・

 読みながら、私は随所に膝をたたいたり、ゲラゲラ笑ったり、
唸ったり感心したりしたのでしたけれど、(だから、どのページも
付箋紙だらけになりました)中でも面白く思ったのは、
アメリカでの子供達への教育に対する考え方でした。
 
 「君は何になりたいの?」と子供に聞くとします。子供は
「サッカー選手になりたい」と答えます。そこまでは
日本でも同じ光景が見られることでしょう。「ふーん、なれると良いね」
で、終わり。でも、アメリカ人は、そこからが違うんだそうです。
 
 「で、君はそれで誰を喜ばせたいと思ってるの?」と、
さらに突っ込むらしいのです。「自分がただ満足するんでなく、
そのことをすることで、君は誰かの為になっているのか?」
ということをことさら問題にするワケなのです。
 つまり、まず個人の意志が尊重されて、次いで他者への視点と言うか、
社会性を要求される。子供にだって、日頃からそれを考えさせる姿勢が、
社会全般に存在してるってことなんでしょう。素晴らしい・・・
 社会性ったって日本にあるのは、単に「他人様の眼を気にする」だけ、でしょ?
これでは、チョットいかんのじゃないのかなあ。寂しすぎますよね。

 それにしても彼のトランプ氏は・・・子供の頃、親にちゃんとしつけを
されてなかったんじゃないの?・・・と、私は、フト考えてしまいましたけどね。
昨日の続きを・・・_f0132192_16411098.jpg

by sobaya-mokuami | 2017-08-26 16:41
<< これから面白くなる時代かも? 老いの繰り言めく話を少々・・・ >>