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薩摩琵琶で宮沢賢治を聴く夕べ
  一昨日(24日)の夜、「小林美術館」にて、
 女優、林洋子さん演ずる「薩摩琵琶の弾き語り」、
 宮沢賢治の童話『なめとこ山の熊』を聞いて来ました。

  民家村南口のゲートから入ると、
 紙袋の中に灯してある灯籠が
 地上に点々とおかれてあり、
 私達を優しくも小林美術館へと
 誘導してくれます。まるで幽玄の世界へと、
 誘うかのような、夢のような光景でした。

  時間になると着物を来た少年が、チリンチリンと
 小さな鈴を鳴らして土間の三和土を
 十歩程歩きだし、やがて・・・
  バンコの上に設えられた臨時の舞台がぼおっと
 明るくなり、林さんが登壇し、語りが始まりました。

  とある雪国の、漁師と熊の、
 かなしいまでの宿命の物語。
  琵琶の持つ多彩な音色によって、
 或は、玄妙な弾き方の変化によって、
 美しくも厳しい自然の姿がくっきりと
 私達の目の前に現れて来ました。それはまた、
 主人公の心のひだにさえ立ち入り、
 その心の葛藤を、琵琶が劇的に表現します。

  物語が終わった後、会場が一瞬、
 静かになったかと思うと、ふーっと一息。
  そうして次にみんながやっと気がついたように
中央に向かって、 惜しみなく拍手を送ったのでした。 
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by sobaya-mokuami | 2008-10-26 23:26
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